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鬼北町

メッセージ 作業中

作業中の宇都宮さん(左)と久保さん(右)。年齢は違えど、とてもいいコンビ!


 鬼北町は、愛媛県南西部に位置し、周囲を鬼ヶ城連峰や戸祇御前山などの深山幽谷に囲まれ、「日本最後の清流」と呼ばれる四万十川の一大支流広見川があります。鬼北町の2名の地域おこし協力隊の方々にインタビューしてきました。

古民家

宇都宮さんご自慢の古民家!なんと築130年以上!田んぼの苗も元気です。

きっかけ

 取材当日は、あいにくの雨。お二人にお会いするのはその日で2度目でした。


「今日は、取材しますのでリラックスしてくださいね。
あれ?お二人とも、今日はちゃんとした格好してますね(笑)。」


「たまたま雨やから。役場のみんなにも『どしたん!今日は?』みたいな(笑)」


 スッタフの投げかけにも気さくに答えてくださる宇都宮さん。これまで、30年以上も大阪府で暮らしてきました。その中で、阪神淡路大震災を経験。3年前まで飲食店を経営し、その中で野菜の価格が高沸している現状を目の当たりにして、『買うより自分で作りたい』という気持ちが強くなりました。それが、農業に興味を持ち始めた「きっかけ」だったそうです


 「さあ、どこに移住するか?」と考え、九州地方や中部地方を探しましたが、結果的に地元愛媛にUターンする選択をされました。そんな時に、鬼北町で地域おこし協力隊の募集を見つけ、応募したそうです。


 一方、久保さんは、大阪府出身のIターン。鬼北町に来る前は千葉に住まわれていて、たまたま東京に遊びに行った際に東日本大震災に遭われたそうです。


 災害が起った時、都心の脆さ、都会の人達の自分本位な行動を見て、『僕も、知らず知らずのうちに迷惑をかけているのか?』と思い至ったそうです。そうして、都会での生活に疑問を感じ、移住先を探すことになりました。


 宇都宮さん同様、「さあ、どこに移住するか?」と考え、「新農業人フェア」に参加したり、ドラマ「遅咲きのヒマワリ」を観て、様々なNPO団体や地域おこし協力隊などがあることを知り、興味を持ちました。「果たして自分で も出来るのか?」と自問しながらも、「けれど、やりたいことはやってから後悔したい!」と地域おこし協力隊に応募されたそうです。


これから

 宇都宮さんは、ご夫婦で定住準備を着々と進めていらっしゃいます。そして、この古民家!田舎暮らしを目指す方なら誰しもあこがれます!築130年以上で、ほとんど手を加えず住んでいるそうです。それだけ、前に住まわれていた方が大切にされていたのかが分かります。


 家の周りの田んぼも、風が苗をさわり、涼しげな雰囲気。季節とともに立派に育てば、秋には黄金色の景色に変わります。


 また、これからに向けて、新たな挑戦を始めていらっしゃいました。それはケール。そもそもケールとは、ビタミン豊富な緑黄色野菜で、青汁の材料になるとのこと。


 まずは、ケールを試験的に2年間栽培し、本格的に無農薬栽培ができるようになったら、さらに畑を広げるそうです。とても意気込みを感じます。


 そして、久保さんは、『今、生活する』ということと、『これからも生活していく』ということを、町や地域住民の方々に協力してもらいながら、まずは1年半後の自分の見通しを立てていきたいと思っていらっしゃるそうです。もちろん、自分の考えを深め、伝えていくことも、自分自身の力量も必要だとも語ります。


 さらには、地域おこし協力隊の体験を、将来に向けて『今、培っていく』ということと、『これからも培っていく』ということの、二つのビジョンがあるそうです。それは、「もっと他に何か出来ることがあるのだろうか?」と模索していることなのかもしれません。そこに、将来の具体的な選択肢の一つとなる可能性を感じます。


小川さんの畑

古民家の軒下。時代を感じさせてくれます。

生きる為に何をするか?

「田舎で生きる為には、儲けや贅沢、見栄はいらない。」


 生きる為に農業を選択した宇都宮さんは、お金は確かに必要だけれども、必要なお金は稼いでも、必要以上に稼ぐことはしないとおっしゃいます。「贅沢・見栄が出はじめると、人の意見が聞きづらくなる」と語ってくれました。


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  久保さんも同様に、お金を出し続ける都会の生活を離れ、農業で生きていきたいと考えています。まだ、基盤は十分ではないかもしれませんが、その眼差しに強い意志を感じます。


 作物を育て自給自足をする生活。そして、大地に根を張りながら、人と人のつながりを大切にし、助け合う気持ちを持って生きていく暮らし。そこを目指す強い「覚悟」が伺えました。

柚子農園

柚子農園で、草刈りにはげむ久保さん。

感じる変化

「以前はアレルギーや花粉症で辛かったんやけどな、徐々に治ってきて、免疫がついたんやないかな?」


 宇都宮さんは、鬼北町に暮らし始めてから、身体が健康になったと言います。いい環境の暮らしの中で、身体も自然とたくましくなっている感じが伺えました。


 また、贅沢の「価値」が変わりました。


「無農薬の野菜を育てて、畑からネギや葉ものを穫ってきてな、味噌汁に入れるんよ。これだけで、贅沢なんよ」


 素材そのものを味わう贅沢!自分で育て、育み愛でる。実際、自分で体感しなければ、なかなかこういう言葉は出てきません。


 久保さんは、「感謝の言葉」がありがたいと言います。


「伝わってくる感謝の気持ちが違うと思いました。『ありがとう』の一言でも、言葉の重みが伝わってきます。あまり言われ慣れてない言葉なので少し恥ずかしい気持ちにはなりますが、充実感はあります。」


 まずは、やっぱり行動する事なんですね。自分に出来ることはやろうという気持ち。そこで出る「ありがとう」という当たり前の言葉...。人はそこに、やりがいを感じてしまいますよね。


 さらに久保さんは、地域づくりの団体に所属してます。


「『日吉一希を起こす会』で、地域を盛り上げ豊かで住み良い地域作りの活動に参加しています。」


 現在は、こうした活動を通して、徐々に地域に根付いていこうとする大切な時期。ひとつひとつを積み重ねるごとに、少しでもイメージが現実に変わっていってほしいと、微力ながら応援したい気持ちなります。

「地域おこし協力隊」として

 地域おこし協力隊は、地域ごとに求められるものが当然違ってきます。もちろん、同じ地域でも人によって求められるものも当然違ってきます。自分達に求められる役割は常に多く、時に苦痛に感じることもあるそうです。


 それでも、充実感・達成感・やりがいがあるとお二人は語ります。地域おこし協力隊の活動は、けっして経済価値だけで計れるものではありません。「よそもの」として地域の中で活動していくことは、人生の経験として多くのものを受け取れるのだと思います。


 そもそも、「自分の居場所」を見つけるというのは大変なことです。地域の中で「よそもの」として暮らせばなおさら。暮らしていく中で「壁」はいくつも立ちはだかるかもしれませんが、それを「自分の課題」と思うことができれば、自ずと道が見えてくるような気がします。


 日吉地区の地域の先輩方は、とても元気で体も丈夫だそうです。ご高齢の方でも足腰や力が強いので、何をするにもついていけないぐらいとのこと。


「僕らの歳だとヒヨコ扱いですよ~(笑)。」


 お二人は、真剣な表情になりながらも、最後はそう笑って話してくださいました。


柚子の木

柚子農園はかなりの広のさ。約10年の柚子の木だそうです。



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